TrainDriveATS2では京王式ATSを再現しました。
初代TrainDriveATSのパターン式と比べ、やや複雑な機構となっております。
このページではTD2における保安装置・信号について解説します。
進行信号 | 減速信号 | 注意信号 | 警戒信号 | 停止信号 |
制限110km/h | 制限75km/h | 制限45km/h | 制限25km/h | 0km/h |
超過時: 常用最大ブレーキ |
超過時: 常用最大ブレーキ |
超過時: 常用最大ブレーキ |
超過時: 常用最大ブレーキ |
超過時: 非常ブレーキ |
京王のATSの特徴は、点制御連続照査型と呼ばれる機能を持つことです。
連続照査用地上子(下図参照)のある地点で地上から車上に照査速度の伝達を行い、その照査速度を次に地上から照査速度の伝達を受けるまで常に照査し続ける、照査速度の記憶を保持し続けるという特徴があります。
例えば、減速信号が現示されている閉塞に進入したとします。列車は常に制限75kmを走行速度が超えないかチェックし続けます。超過した場合は、ただちに常用最大ブレーキがかかり、走行速度が75km以下になればブレーキは解除します。
そして次の信号現示が注意から進行現示に変わったとします。しかし、照査速度の伝達を受ける地上子を過ぎるまでは、減速:制限75kmの照査をし続けますので、すぐには照査が解除されません。
このことは減速信号に限らず、注意や警戒信号においても同様です。
停止信号の超過時は、列車が停止後、前方の信号現示が停止以外になれば、指令から列車の進行許可が出ますので、指示に従ってATS確認スイッチを操作してください。次の信号まで15km以下で走行し、次の照査速度の伝達を地上子から受けた後は、通常の運転に戻ってください。
照査速度の伝達は長方形の地上子(線路内にある白いハンペンのようなもの)で行います。 その地点でのみの照査を行う点制御点照査については後述します。 |
一般的な鉄道では、停止信号の手前までに止まれる機能を付け(初代TDでいうパターン)、京王では一部を除き半重複(ハーフオーバーラップ)区間という機能を使用しています。
半重複区間を先行列車が抜けるまではもう1つ手前の閉塞または絶対信号に停止現示を出すことで、列車の追突や衝突を防ぎます。
通常のG(信号)-YG(減速)-Y(注意)-R(停止)の場合は、この半重複区間は110m~150mほど設けてあります。
なお、警戒信号の現示がある、G(信号)-YG(減速)-Y(注意)-YY(警戒)-R(停止)の場合は、この半重複区間は約75mほど設けてあります。
半重複区間では先行列車との距離が多少離れてしまうというデメリットがあるので、列車の距離を接近させる必要のある箇所(主に停車場前後)には半重複区間を設けずにORSⅡ型(オーバーランストップシステム:後述)を設置してあります。
<ORSⅠ型>
14個の正方形の小型の速度照査の組み合わせで列車の冒進を防ぎます。
稲城中央や新平尾、ペアリーランドなどに設置。
<ORSⅡ型(下図はA)>
2対1組で速度照査を行います。
ゲーム内では余裕距離などから、Ⅱ型を4種類(A~D)に分けました。
警戒信号もしくは制限25kmの地上子と停止信号または絶対停止位置の間に設置してあり、Aは実際にも使用されていたORSです。種類によって照査の数と速度が異なります。
ORSは警戒信号もしくは制限25kmの連続照査を受けて、かつ停止地上子が有効な場合に動作します。前方の現示が停止以外の上位現示になった場合は、その時点でORSの動作は停止します。
ORSの照査速度を超えてしまった場合は、非常ブレーキがかかり列車は停止します。その後は指令の指示に従って運転再開してください。
ゲーム内ではオリジナルの要素の1つとして、曲線速度制限用のATSを設けてあります。
曲線の制限速度と手前の制限速度との差が大きい場合は、曲線開始位置のやや手前から複数にわたって速度照査がありますので、照査に当たらないように注意して運転して下さい。
なお、曲線用ATSの照査速度を超えてしまった場合は、常用最大ブレーキがかかり25kmまで減速させられた上に、次の地上子で照査速度の伝達を受けるまでは25kmの照査を受け続けますので、ご注意下さい。